花粉症のアレルゲン免疫療法・舌下免疫療法・減感作療法

咳

アレルギー性鼻炎や花粉症を治してしまう、アレルゲン免疫療法をご紹介します。

花粉症やアレルギー性鼻炎の治療法は大きく分けて3つあります。

  • (1)内服薬、点鼻薬など薬を中心とした治療法。
  • (2)手術療法。鼻内レーザー治療法が主流です。
  • (3)アレルゲン免疫療法。減感作療法とも呼ばれます。

薬を中心とした方法は、対症療法ですので、毎年毎年続けなければいけません。レーザー治療法は良い方法ですが、効果は1年程で、長く効く薬という感じです。病気を治癒させる、という事に限りなく近いのが、体質自体をかえてしまうアレルゲン免疫療法です。

まず、従来からある皮下注射によるアレルゲン免疫療法の治療スケジュールは次の様です。まず、血液検査をして、どんな花粉や原因物質によって鼻炎になっているのかを調べます。例えば、スギが原因なら、スギのエキス製剤を少しずつ、週1回のペースで注射します。初めは低い濃度から始め、次第に濃くして行きます。段々、体に慣れていってもらうわけです。目標の濃度になったら、その濃度(維持量)で注射を3~4カ月続けます。こういう週1回の注射が1年程続きます。その後、2週に1回で6カ月程、3週に1回で6カ月程続けます。さらに月1回で注射を続け、様子を見ながらさらに注射の間隔をあけていきます。なお、これは標準的スケジュールで、患者さんの状況に合わせて調整しています。

注射を始めて1年を過ぎますと、症状は軽くなってきます。ここで治療を中止してしまうと、元に戻ってしまいます。3年は続けた方が良いと考えられています。気の遠くなるような話に聞こえますが、要は、邪魔くさい週1回の通院は1年程で、それ以降は通院間隔も長くなりますので、気分も楽になります。

効果は、よく効いている人、まあまあ効いている人を合わせて6~7割ぐらいです。残念ながら15%程の人は効きが悪いというデータもあります。

舌下免疫療法は、毎日自宅で治療薬を舌下に滴下内服します。初めて2週間で目標の濃い濃度になり、その後は毎日同じ濃い濃度のものを舌下内服します。

皮下注射の免疫療法は、舌下に比べて、より完璧な治癒をめざす治療法ですが、1年余りは週1回の通院が必要で、それが大変です。舌下免疫療法は、自宅で毎日行いますが、必ず1ヶ月に1回は通院が必要です。効果は、皮下免疫療法に比べて、残念ながら落ちます。

アレルギー性鼻炎を長年患っていますと、蓄膿症になる人が多いです。免疫療法は根本的に治すために、お薦めの治療法と言えます。

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